モモグミ日誌

スキなことを、スキなだけ

【読書】(小説)コーヒーが冷めないうちに

 

コーヒーが冷めないうちに

コーヒーが冷めないうちに

 

 

わたしの地元の図書館は利用者がそんなに多くないらしく

大学図書館や本屋さんで「大人気!」となっていても

ほとんど予約なしで読めてしまう穴場図書館です。

 

そんな図書館でなんと約半年待ったのがこの本。

予約したのが映画公開の時期だったっていうのもあるけど

これだけ大人気なんだから絶対おもしろいと期待して読みました。

 

以下、ネタバレですヨ。

 

 

期待した作品って、期待過多になってしまうので

そこまで高評価って感じでは終わらないですよね。

 

このお話もわたし的にはそうでした。

 

お話の舞台は喫茶店

しかも、ちょっと面倒なルールがあるけれど

「過去」に戻ることができる不思議な席がある喫茶店

 

そこで働く人たちやお客さん、そして「過去に戻れる」ことを

聞きつけた人が織りなすお話でした。

 

最初のお話は「恋人」。

彼女よりもやりたい仕事を選んで海外へ行くことを決めた男への

未練を断ち切れない女子が過去に戻る。

でも、ルールによって、現実を変えることは不可能。

ただ、過去に行って、最初の別れ話のときには言えなかったことを

彼に伝えることで二人の今後に道が開けるお話。

 

このお話に絡めて、喫茶店の従業員や、常連のことが

紹介されていて、次のお話は「夫婦」がテーマ。

 

口下手な旦那がアルツハイマーで嫁のことを存在自体忘れてしまうけど

でも、ものすごく想ってるんだよっていう内容。

 

さらに、「姉妹」への話へと続く。

「姉妹」はこの喫茶店の常連の女性と、

彼女が実家へ戻ってくることを願う妹のお話。

 

自分を迎えに来た帰りに事故に巻き込まれて死んでしまう妹。

過去に戻った姉は、そこで妹の願いを叶えることを約束して

実家に戻り、家業を継ぐと言う内容。

 

そして、最後は「親子」。

 

茶店の店長の嫁は生まれつき心臓が弱く、

子どもを授かるけれど、その子を産むのは

自分の命と引き換えになるとわかっている。

 

だから、自分が死んでしまう前に

「未来」へ行って、自分の子どもと会いたいと考える。

 

「過去」へ行ける不思議な席は「未来」へ行くことも可能。

 

「未来」へ行った妊婦はそこで自分の娘と出会い、

その少女がすこし前に「過去」に戻る席を使い

茶店にやってきた子だと知る。

 

娘に「産んでくれてよかった」と言ってもらえた妊婦は

自分の命と引き換えに赤ちゃんを産む――

 

という流れで終わるわけですが…

 

淡々と物語が進んでいくので、人の生き死にが

結構多く描かれてるのに、全然感情が動きませんでした。

 

常連さんの妹が事故死するシーンとか、

妊婦さんが自分の命と引き換えに子どもを産むシーンとか

その辺りは全部「こうなった」と書いてあるだけ。

 

もっとお話に入り込んで、一喜一憂したかったので

その淡々とした物語の流れがとても残念。

 

あと、「過去」に戻れる席にいつも座ってる

ワンピースの女性。

彼女のお話も入ってればよかったな、と。

 

全体的にいいお話なんだけど、何かが物足りない。

それが感想です。ううむ。